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3月前半の死刑廃止関連ニュース

こちら特報部 袴田事件再審なるか(上) 第2次請求 月内にも判断 「無実」の新証拠続々「こんなに隠されていた」
(2014/03/04 東京新聞朝刊 24ページ)
 静岡県で一九六六年、みそ製造会社専務の一家四人が殺害された「袴田事件」。無実を訴え続けながらも死刑が確定した袴田巌死刑囚(77)の第二次再審請求は、今月中にも再審の可否の決定が出る見込みだ。次々と新しい証拠が明らかとなり、弁護側は再審開始に自信を見せる。半世紀近い無実の訴えは、届くのか。 (篠ケ瀬祐司、上田千秋)
 「こんなにも無実を示す証拠が隠されていたとは。想像以上だった」
 弁護団事務局長の小川秀世弁護士(61)は、袴田死刑囚にとって有利な証拠が、これまで多く伏せられていたことに、驚きを隠さない。
 有罪とされた主なポイントは、袴田死刑囚の自白と、「五点の衣類」だ。
 五点の衣類とは、犯行当時に袴田死刑囚が着ていたとされるポロシャツ、半袖シャツ、ズボン、ステテコ、ブリーフを指す。事件から一年二カ月たって、みそタンクの中から麻袋に入った状態で発見された。血がついていたことや、袴田死刑囚が持っていた緑色のブリーフと似ていたことなどから有力証拠とされた。
 この自白と五点の衣類をめぐり、新たな事実が、第二次再審請求の過程で次々と明らかになった。
 まず自白。静岡地検は二〇一一年十二月、袴田死刑囚の「自白」を録音したテープを開示した。弁護団は奈良女子大の浜田寿美男名誉教授(法心理学)に分析を依頼。浜田氏は一二年八月、「『逆行的構成』の痕跡が大量に残されている」との鑑定結果をまとめた。体験を語ったのではなく、既に収集された証拠から時間を逆行して「体験物語」を構成しているとみられるとの指摘だ。
 例えば、袴田死刑囚は「自白」の中で、引き出しを開けるのに指紋がつかないよう、被害者宅の中庭で小刀を抜いたと説明している。だが、袴田死刑囚が引き出しに行き着くのは、あちこち物色した後。引き出しを前にして小刀で開けようと思ったのではなく、中庭で引き出しのことを思い描くのは不自然だ。
 犯行時間帯の行動に関する新証言も明らかになった。
 地検が一三年七月に提出した関係者二十人の供述調書と捜査報告書。調書によると、同じ社員寮にいた同僚二人が、「(出火直後に)サイレンを聞いて部屋を出ると、袴田(死刑囚)が後ろからついてきて、一緒に消火活動をした」と話していた。
 「午後十時半ごろから鎮火が近いころまで袴田死刑囚の姿を見た者はいない」との確定判決の事実関係と食い違う。その後、証言を翻したが、小川弁護士は「『サイレンが鳴ったので消火活動をした』との袴田死刑囚の主張に沿ったものだ」と強調する。
 (メモ)
 袴田事件 1966年6月に静岡県清水市(現静岡市清水区)で発生。みそ製造会社専務宅が全焼し、焼け跡から、刺し傷のある一家4人の遺体が発見された。県警は同年8月、従業員の袴田死刑囚を強盗殺人などの疑いで逮捕した。
 取り調べ段階でいったん容疑を認めた袴田死刑囚は公判では一転して無罪を主張したが、80年に最高裁で死刑が確定。81年に第1次再審請求をしたが、2008年3月に最高裁が特別抗告を棄却した。同年4月、精神状態が悪化していた袴田死刑囚に代わって姉の秀子さんが静岡地裁に第2次再審請求をした。
 再審請求審では、静岡地検がこれまでの公判で未提出だったものを含めて約600点の証拠を開示。昨年12月に弁護団、地検双方が最終意見書を提出し結審。地裁は今月中にも再審開始の可否を決定するとみられている。
 デスクメモ
 袴田死刑囚は元プロボクサー。強豪だったが、目を患うなどして故郷の静岡に戻った。「先輩を助けたい」。輪島功一さんやカシアス内藤さんら、日本の名だたる元チャンプたちが支援に乗りだしている。日本プロボクシング協会、世界ボクシング評議会(WBC)なども協力している。人柄がしのばれる。 (国)

こちら特報部 袴田事件再審なるか(下)「自白」テープ・調書…600点 地裁開示に積極姿勢 病状悪化「決定、一日も早く」
(2014/03/04 東京新聞朝刊 25ページ)
 五点の衣類については、一二年四月に、弁護側と検察側双方のDNA鑑定で、付着した血は袴田死刑囚とも被害者とも一致しないとの結果が出た。
 みそに漬かっていたとされることにも疑問が深まっている。地検は一〇年十二月に、五点の衣類の発見時のカラー写真を開示した。ブリーフには、緑色や赤い血痕がみてとれる。
 弁護団側の行った衣類をみそに漬けた実験によると、短時間でみそ漬けの状態になり、地検の主張通り一年二カ月、みその中に置くと、血痕だけでなく生地も真っ黒になってしまう。弁護団は、色が残るブリーフの写真は、五点の衣類の証拠性を否定する材料だと考えている。
 凶器の購入先とされた刃物店で働いていた女性は、公判で袴田死刑囚に似た人物に小刀を販売した覚えがあると証言していたが、その後に弁護側やメディアに対し、本当は「見覚えがなかった」と話した。
 新事実を次々と発掘できたのは、弁護団が証拠開示請求を続けてきたためだ。
 袴田死刑囚の取り調べ段階の録音テープがあるとの報道を受け、弁護団は地検にテープの開示を求めた。否認しているテープは開示されなかったものの、「自白」テープの提出につながった。静岡地裁も証拠開示に前向きだった。同僚の調書は、地裁の勧告に応じる形で、地検が提出した。こうして開示された証拠は計六百点に上る。小川弁護士は「地裁の積極的な姿勢は高く評価できる」と、再審開始決定への手応えを感じている。
 地裁の裁判官は袴田死刑囚から再審請求の意思確認をするため、昨年、東京拘置所を訪れた。袴田死刑囚は「どうしたって死刑になる」と面会を拒んだ。拘禁状態が長期間にわたり、精神のバランスを崩していることが原因とみられる。姉の秀子さん(81)によると、ここ数年は認知症や糖尿病の症状も悪化し、一〇年八月を最後に秀子さんの面会にも応じなくなった。
 それでも秀子さんは毎月、袴田死刑囚がいる東京拘置所の訪問を欠かさない。「以前も、十年ぐらい出てこなかったのに突然会えたことがあった。またひょっこりと顔を出さないとも限らないですから」
 秀子さんは、決定の知らせを心待ちにしている。「病院できちんとした診療を受けさせたい。一日も早く外に出してあげたいという気持ちはこの四十八年間、ずっと変わっていない」
 刑事訴訟法には「再審開始の決定をしたときは、刑の執行を停止することができる」との規定がある。再審開始が決定した場合、東京経済大の大出良知・現代法学部長(刑事訴訟法)は「拘置を刑の一部と考えれば、停止は可能だろう」とみる。
 一九七五年に最高裁が示した「白鳥決定」では、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則は、再審制度にも適用されるとした。
 大出氏は「袴田事件は捜査段階から極めて多くの疑義があり、再審請求の過程でも疑義を裏付ける証拠が出てきている。完全に検察側のストーリーは崩れている。判決には合理的な疑いがあり、かたくなに再審開始を拒否する理由は見当たらない」と指摘した。

[マイナビニュース2014/03/04]
大阪弁護士会が製作 絞首刑について問題提起するDVDの内容
 民主党政権下の3年3か月間で9人だった死刑執行数が、自民党に政権が移ってわずか1年余で8人とペースを増している。
 大阪弁護士会のプロジェクトチーム(PT)は1月末、絞首刑について問題提起するDVD『絞首刑を考える』を製作した。現在のところ、DVDは大手マスコミの司法担当記者や弁護士を対象に1度上映・公開されただけで、一般市民が自由に閲覧できる状態にはなっていない。
「市民に死刑の実態について知ってもらうために製作しました。ただし、現時点では公開方法は未決定で、公開時期も検討中です」(PT座長・金子武嗣弁護士)
 映像は物議を醸しそうな印象だが、本誌はその内容を独自にキャッチした。
 DVDは約25分。『刑罰の歴史と死刑』、『わが国の絞首刑の執行方法』、『死刑の合憲性について』など7章で構成されている。まずは世界史を紐解いて刑罰の歴史を紹介するところから始まり、斬首やギロチン、電気椅子など諸外国の事例を紹介していく。かつてはより苦痛を与える方向だったが歴史を重ねるのに従い、できるだけ残虐性のない方法をとるようになったことが体系的に学べるようになっている。
 全編を通じ最も力を込めて解説されているのが『死に至るメカニズム』のコーナーである。現在わが国の死刑執行の方法として採用されている「絞首刑」について、その死因、つまり「執行の瞬間」に何が起こっているのかを詳細に分析しているのだ。
 これまでは、絞首刑に処されると頸部が破壊され、その瞬間に意識を失うため受刑者は苦痛を感じないとされてきた。その根拠となっているのが東大法医学教室教授などを歴任した古畑種基博士が1952年に行なった鑑定である。
 古畑博士は「体重が20キロ以上あれば左右の頸動脈と両椎骨(ついこつ)動脈を完全に圧塞することができ、その瞬間に人事不省に陥り全く意識を失う。縊死は最も苦痛のない安楽な死に方であることは法医学上の常識になっている」と結論づけ、それが1955年の「絞首刑は残虐な刑罰ではない」とする最高裁判決に繋がった。現在に至っても、それが判例として定説化している。
 だが、このDVDでは絞首刑に関する新しい衝撃的な学説が紹介されている。オーストリア・インスブルック医科大学法医学研究所副所長でオーストリア法医学会会長のヴァルテル・ラブル博士の研究によると、実はすぐに意識が失われるのはまれで、絶命まで10数分にわたって苦しんだり、場合によっては頭部が切断されたりすることもあると指摘されているのだ。  (※週刊ポスト2014年3月14日号)

◎レイバーネット
「日本の唯一の欠点は刑事司法」〜国連拷問禁止委員会のドマさん
2013年5月の国連拷問禁止委員会で「日本の刑事司法は中世のよう」と発言したドマ委員(写真)が来日し、3月4日、日本弁護士連合会主催の集いで講演した。ドマさんは、アフリカ・モーリシャスの元判事。「日本はいいものを世界から導入して成功したりっぱな国。しかしその唯一の欠点が、代用監獄・自白偏重・長期拘留など刑事司法の問題だ」と述べ、「ヨーロッパでは4日の勾留でも長すぎると言われている。日本の代用監獄での長期拘禁は拷問行為だ」と静かな語り口だが、厳しく指摘した。「日本が専制国家でなく民主主義国家であるなら拷問行為はやめ、近代的取り調べ方法を編み出し、それを世界に売り込んでほしい。変えようと思えばすぐ出来る」と力説した。会場の弁護士会館には、弁護士を中心に一般市民も参加、「人権後進国日本」を改めて認識する集いとなった。
 国連拷問禁止委員会は10名の専門家で構成されており、日本を含む153ヶ国が批准している「拷問等禁止条約」の実施機関。2013年5月には日本の状況が審査され、その総括所見において、難民問題、刑事司法、死刑・刑事拘禁制度、日本軍「慰安婦」問題・人身取引問題、精神医療等の諸問題に関して、厳しい批判にさらされた。この批判に対するフォローアップ(回答)を日本政府は、5月末までにすることになっており、その対応が注目される。(M)

死刑の情報公開 裁判員裁判の前提条件だ
(西日本新聞2014年03月05日)
 死刑の実態について裁判員に知ってもらうことを目的とした異例の証人尋問が先月末、大阪地裁堺支部であった。死刑求刑が予想された強盗殺人事件で、死刑は残虐な刑罰を禁じた憲法に違反すると主張した弁護側が求め、元刑務官と心理学研究者が証言した。
 5年目を迎えている裁判員裁判でも昨年末までに20件の死刑判決が言い渡され、うち4人の死刑が確定した。無作為に選ばれた一般市民が「究極の判断」を迫られる現実を直視しなければならない。
 その一方、死刑について公開される情報はあまりに少ない。裁判員経験者20人も先月、死刑の執行停止と情報公開の徹底を求める要望書を谷垣禎一法相に提出した。20人のうち3人は実際に死刑判決に関わった経験を持つという。
 要望書で、死刑を判断した1人は「今なお壮絶な重圧と葛藤がある」と振り返った。死刑囚の処遇や死刑執行についての情報公開が不十分で、社会全体の議論が深まらないまま執行が続く現状に「裁判員経験者の苦しみは極限に達するだろう」とも訴えている。
 もっともな意見だ。法務省は長年、死刑執行の事実すら公表してこなかった。1998年から執行の事実と人数を、2007年から氏名や執行場所をそれぞれ公表するようになったが、そこまでだ。
 死刑確定者は2月20日現在で131人いるが、日常の様子や執行対象を選ぶ基準などは一切明らかにされていない。これでは市民が死刑について考えるのは難しい。
 日本は国際社会では少数派となった死刑存置国だ。世論調査でも死刑の存続を支持する人の方が多い。だが、司法関係者には「死刑の情報公開が進んでいないため、現状を変える世論が形成されにくいのではないか」との声もある。
 谷垣法相は要望書の内容に対し否定的な姿勢だ。裁判員制度見直しで死刑求刑が予想される事件を対象から外すという意見もあったが、見送られた。ならば一層、死刑は裁判員となる可能性もある国民全体で議論すべき問題だ。情報公開は、その前提条件である。


日本は「自白に頼りすぎ」
[大分合同新聞2014年03月06日]
 国連の人権条約に基づく拷問禁止委員会委員で、モーリシャス最高裁のドマ元判事が6日、東京・霞が関の弁護士会館で記者会見し「日本の刑事司法は容疑者の自白に頼り過ぎている」と述べ、改善を求めた。
 産業や技術力が世界から称賛されている「偉大な国」と日本を評価する一方、刑事司法制度を「一つだけ残念なところだ」と批判。DNA鑑定をはじめとする科学捜査が進展している点に触れ「今は供述がなくても代替手段がある」と指摘した。
 死刑制度についても、執行が直前まで本人に告知されないことを問題視。「いつ執行されるのか分からないまま何年も拘束するのは拷問だ」と話した。

◎神戸新聞2014/3/9)
死刑制度の是非テーマに討論 西宮南高で発表会
ディベートで討論部に勝ち、笑顔を見せる1年生代表チーム=西宮市高須町2

 環境とコミュニケーションについて学ぶ「特色類型クラス」がある兵庫県立西宮南高校で8日、地域住民ら約80人を招き、ディベートや日ごろの学習成果を披露する「特色発表会」が開かれた。
 同校は授業に討論を取り入れており、この日は「日本の死刑制度の是非」を題材にディベートが展開された。
 1年代表チーム(特色類型クラス5人)と同校討論部(2年生3人、1年生1人)が対戦。1年チームは死刑執行を停止した米国の州で殺人事件が大幅に増えた例を挙げ、制度存続への支持が日本国内で多いことも合わせて訴えた。
 一方、討論部は「死刑は国家による殺人」などと反論したが、採点した教諭らは「1年生チームの方がより分かりやすい論理を展開した」と判定した。
 また、マツの葉の気孔に大気中のごみが詰まった様子を顕微鏡で見せるなど環境に関する展示発表も行われた。
 午後からの講演会では、1人乗りヨットによる太平洋横断を世界で初めて達成した堀江謙一さん(75)=芦屋市=が「何でもよいので新たなことに挑戦し、世界を広げて」などと語りかけた。(笠原次郎)

中国、死刑対象を縮小へ
 10日付の中国英字紙、チャイナ・デーリーは、中国政府が今年刑法を改正し、死刑の対象となる罪の範囲を縮小する予定だと報じた。北京で開会中の全国人民代表大会(国会=全人代)で9日記者会見した全人代常務委員会の刑法担当幹部の話として伝えた。
 同紙によると、中国では現在、55の罪が死刑の対象となっており、そのうち3分の1が収賄や汚職など経済に絡む犯罪。全人代の代表からは、これら経済関連の罪を死刑の対象から外すべきだとの意見が出ているという。
 中国は世界でも死刑執行数が突出しているとして、国際人権団体などが非難している。(共同)
 [共同通信2014年3月10日]

袴田死刑囚78歳に、「元気」 医師が姉らに説明
(福井新聞2014年3月10日)
 強盗殺人罪などで死刑が確定し、第2次再審請求中の袴田巌死刑囚が78歳になった10日、姉の秀子さん(81)や日本プロボクシング協会の新田渉世事務局長らが東京拘置所(東京都葛飾区)を訪れた。袴田死刑囚が面会を断ったため会えなかったが、医師らから「名前や年齢、生年月日が言えるし、問い掛けに応答できる。元気だ」などと健康状態の説明を受けた。
 秀子さんは取材に「会えなかったことは残念。約3年前に健康状態を聞いたときは名前も答えられないと言われたことを考えると、(本人の精神状態が)多少、良くなったかな」と話した。

袴田事件:袴田死刑囚が78歳 健康状態など、姉ら聞き取り??東京拘置所 /静岡
(毎日新聞 2014年03月11日 地方版)
 1966年に静岡市(旧清水市)で起きた強盗殺人事件「袴田事件」で第2次再審請求中の袴田巌死刑囚が78歳となった10日、姉秀子さん(81)と日本プロボクシング協会の新田渉世事務局長らが収監先の東京拘置所を訪れた。職員から健康状態など近況を聞き取った。
 秀子さんらによると、袴田死刑囚は糖尿病治療のため、今月3日に拘置所内の医療棟に移動、インスリン投与の治療や食事制限を続けているという。認知症などの疑いがあるとされたが、氏名や生年月日、年齢は正確に答えたという。
 一方、秀子さんらの面会要望に対しては、「こっちに用はない、お断りしてくれ」と従来通り拒否したと拘置所側から説明されたという。秀子さんは「表情が確認できず残念」と話した。
 静岡市では10日、支援者らが再審の早期開始や刑の執行停止を求めた約6000人分の署名を地裁へ提出、「今すぐ再審開始決定を」と書いたチラシを市内で配った。【荒木涼子】

面会制限で国に賠償命令 闇サイト殺人
(中日新聞2014年3月13日)
 2007年に名古屋市の会社員女性が拉致、殺害された「闇サイト事件」で、名古屋拘置所に収監中の神田司死刑囚(43)と弁護士2人が、拘置所職員の立ち会いなしで面会を認めなかったのは違法として、国に2700万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が13日、名古屋高裁であった。長門栄吉裁判長は、一審に続き「拘置所長が裁量権を逸脱、乱用したもので違法」と認め、国に計145万2千円の支払いを命じた。
 判決によると、神田死刑囚は09年4月に控訴を取り下げて死刑が確定。弁護士は「取り下げは被告の真意ではなく無効」と主張して立ち会いなしの面会を求めたが、拘置所は心情の安定を図る必要があるなどとして拒否し、職員が同席した。
 長門裁判長は、立ち会いなしでの面会を死刑確定者の「正当な利益」とし、「十分に尊重すべきだ」と指摘。神田死刑囚の精神状態が不安定だった1回をのぞき、09年4月から13年9月まで30回の立ち会いを違法とした。

◎NEWSCLIP.BE
中国:「死刑囚の臓器移植はなお継続」、前衛生部長が認める
2014年3月13日(木)
【特集】中国
【中国】死刑囚をドナー(臓器提供者)とする臓器移植が、死刑囚本人やその家族に知らされないまま今も行われている現実を、前衛生部長の黄潔氏がこのほど明らかにした。
 もっとも、当局もこの問題の重大性を認識しているという。「一般人からの臓器提供を呼びかける活動に力を入れている」とした上で、足元では一般人ドナーの数が死刑囚ドナーを大きく超えていると強調した。香港紙の明報が12日付で伝えた。
 死刑囚に依存する中国の臓器移植システムは、海外のメディアや人権組織から長期にわたって批判されている。これについて国政助言機関である全国政治協商会議の委員でもある黄氏は、「医師や裁判所、警察関係者といった限られた範囲内で情報が共有されているのみで、統計を含む具体的な状況を把握できていない」と現状を説明した。
 もっとも李氏は、死刑囚の臓器移植に全面的に反対する立場ではないと強調。「問題は本人や家族に知らせないまま行われていることにある。本人や家族からの同意を受ける法的根拠に基づく厳格なプロセスが確立されれば、死刑囚による臓器提供も一般人と同じとみなされるはずだ」と持論を語った。
 中国政府は、死刑囚の臓器利用問題の解決に取り組む専門委員会「中国人体器官捐献与移植委員会」を3月1日に創設した。黄氏は同委員会の初代主任に任命されている。

◎読売新聞
犯罪の背景 見つめる…「教誨師」堀川惠子さん
「社会全体もそうなのかもしれませんが、死刑囚をめぐる拘置所の環境も人間とあまり向き合わない傾向があるようです」=清水敏明撮影
 死刑制度の問題と向き合う優れた著作を発表しているジャーナリストの堀川惠子さん(44)が『教誨師(きょうかいし)』(講談社)を出版した。戦後、半世紀にわたって死刑囚と対話した広島県出身の僧侶を描いたノンフィクション作品だ。極限の人間の生と死を見つめ続ける著者に話を聞いた。

 <この話は、わしが死んでから世に出して下さいの>
 2010年の初夏、寺の本堂で酸素を吸入するチューブを鼻に装着した僧侶、渡邉普相(ふそう)は約束を求めた。昭和6年(1931年)生まれの彼は、28歳ごろから拘置所で教誨師を続けた。死刑囚たちと面会し、ボランティアで宗教の教えを伝えてゆく。
 「以前の著作を執筆した際に渡邉さんのことを知ったんです。初めはなかなか話してくれません。どちらかと言えば不器用で、色々なことを引きずり、悩みながら生きている人のように見えました。でも病気がそれほど重いと当時は気づかなくて……」
 12年の冬に渡邉は死去し、貴重な記録となった。1日2時間の取材が、回数を重ねるうち午前と午後にまたがって4時間に延び、様々な体験を思い出し激しくせき込むこともあったという。
 貧しい農家に生まれ、拘置所で初めて文字を覚え自分の罪と向き合った死刑囚。「女を殺すのが、気持ちよくてたまらないんですよ」と語った別の死刑囚。過酷な執行の現場。死を背負わされた男女から僧侶が逃げ出さなかったのは、旧制中学時代に広島で被爆し、「一度は死んだ人間」と思っていたことが関わっていたことをつづる。
 「この本は、死刑の是非を語るために書いたものではありません。論じるには別の観点の材料が多く必要でしょうし、故人の証言を利用したくない。ただ自分たちの社会システムの中に死刑があり、死刑囚だけではなく、判決を出す裁判官や司法関係者、拘置所の刑務官、教誨師など様々な人が関わっていることを知る必要があると思う」
 1969年、広島県生まれ。3人姉妹の2番目で頭が良かった姉と妹に比べ、著者自身は運動が得意だった。中学と高校時代は陸上をやり、100メートルハードルの選手だったが、広島大入学直後にグラウンドを1周したとき、「これでは同じことの繰り返しだ」とやめる。授業にはあまり出ず、ボランティアなどに熱中した。
 地元のテレビ局に12年勤め、記者やディレクターとして働く。警察や裁判の担当になり、学生時代の勉強不足を取り返すため刑事訴訟法の本をぼろぼろになるまで読んだという。34歳のとき、ほかの記者の原稿を局内で見るデスクになり、「まだ現場に出たかった」。退社して上京し、フリーになる。
 強盗殺人の死刑囚が独房から送ってきた手紙に検事が心を揺さぶられた姿をつづる『裁かれた命——死刑囚から届いた手紙』。貴重な資料から、連続射殺事件を起こした男の厳しい成育環境に目を向けた『永山則夫——封印された鑑定記録』。著者の作品には罪の重さを踏まえたうえで、犯した側の事情を考えてゆく姿勢がある。
 「犯罪を起こしたのが、他人ではなく、自分だったかもしれないという気持ちがやはりあります。人生には運や不運があるし、会社をやめてフリーになれば何かの弾みで生活ができなくなるかもしれない。同じ悲劇を防ぐには憎しみや復讐(ふくしゅう)で罪に応じるのではなく、犯罪の背景や更生の道を探るしかないのではないか」
 テレビ記者経験者らしく、話しやすい人柄だ。ただ取材の途中で一度だけ「ヒューマニズム」という言葉が出たとき、違和感を表情に浮かべた。かぎ括弧でくくられたものではなく、人間から出た言葉を大切に取材を続けている。(待田晋哉)
ほりかわ・けいこ
 広島テレビ放送に勤めた後、フリーのドキュメンタリーディレクターとして番組制作や執筆活動を続ける。『死刑の基準——「永山裁判」が遺したもの』で講談社ノンフィクション賞。『裁かれた命——死刑囚から届いた手紙』で新潮ドキュメント賞を受賞。
教誨師
堀川惠子/著 講談社/ 1785円
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(2014年3月13日 読売新聞)
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