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10月後半・死刑廃止関連ニュース

13/10/16-13/10/31 死刑廃止関連ニュース

◎AFPBB
死刑執行直前に罪を告白、殺人事件から27年 米
2013年10月17日 09:10 発信地:ワシントンD.C./米国
【10月17日 AFP】米フロリダ(Florida)州で15日夜、死刑判決を受けながらその後24年間にわたって犯行を否認し続けた51歳の死刑囚の刑が執行された。
 報道によると、ウィリアム・ハップ(William Happ)死刑囚は致死薬を注射され、15分以上にわたって何度もけいれんを起こした末に息絶えた。同州の関係当局によると、ハップ死刑囚にはこれまで使用された例がない致死薬が投与された。
 従来使われていた致死薬の在庫が少なくなっていることから、米国の死刑制度がある州の多くは新しい致死薬に切り替えつつある。しかし新しい致死薬は過度の苦痛を生じさせるとして死刑囚が訴訟を起こす例が相次いでいる。
 ハップ死刑囚は、アンジェラ・クローリー(Angela Crowley)さんが1986年に殺害された事件で死刑判決を受けた。薬物とアルコールの問題を抱えていたハップ死刑囚は当初別件で逮捕されたが、現場で発見された足跡から捜査線上に浮上した。クローリーさんは首を絞められてレイプされ、運河で遺体が発見された。
 死刑判決を受けた後も罪を認めていなかったがハップ死刑囚だが、刑執行直前になって初めて罪を認めた。
「27年間にわたって、アンジェラ・クローリーの無残な殺害(の真相)は、状況証拠と不確実性によって不透明になっていた。彼女の家族、愛する人々、そして心配していた全ての人のために、私は苦痛と恥辱をもってこの私のひどい罪を告白しなければならない。クローリーさんのために心配していた人だけでなく、私がだまして私の無実を信じさせた人たちに、心から深く謝罪する」とハップ死刑囚は書き残した。(c)AFP

◎MSN産経
名張毒ぶどう酒事件、再審開始認めず 最高裁「農薬は自白通り」
2013.10.17 14:01
名張毒ぶどう酒事件の第1回公判に臨む奥西勝死刑囚(中央)=1961年6月、津地裁

 三重県名張市で昭和36年に女性5人が死亡した名張毒ぶどう酒事件で、殺人罪などで死刑が確定した奥西勝死刑囚(87)の第7次再審請求について、最高裁第1小法廷(桜井龍子裁判長)は奥西死刑囚側の特別抗告を棄却する決定をした。名古屋高裁の再審開始決定を取り消した昨年5月の同高裁決定が確定した。
 ぶどう酒に混入された毒物が、捜査段階で奥西死刑囚が自白した農薬「ニッカリンT」だったかが争点だったが、同小法廷は自白には信用性があると判断した。決定は16日付で、4裁判官全員一致の意見。検察官出身の横田尤孝(ともゆき)裁判官は審理から外れた。
 第7次再審請求で弁護側は、事件当時に行われた鑑定では、飲み残しのぶどう酒からニッカリンTに含まれる副生成物が検出されておらず、犯行に用いられた毒物は別の農薬の可能性があると主張。鑑定書を新証拠として提出していた。
 名古屋高裁が平成17年、「別の毒物の可能性もある」として再審開始を決定したが、翌18年には同高裁の別の裁判長が検察側の異議を認め、決定は取り消された。最高裁第3小法廷は22年、犯行に使われた毒物についての「事実が解明されていない」として、審理を高裁に差し戻していた。
 差し戻し審では、別の鑑定を実施。鑑定の手法によっては、副生成物が検出されなかったことから、高裁はニッカリンTでないことの証明がなされていないとして、再審開始決定を取り消した。
 今回の最高裁決定も、この再鑑定結果を踏まえて「使用毒物がニッカリンTであることと何ら矛盾しない」と判断。奥西死刑囚が事件前にニッカリンTを自宅に保管していたとされる状況証拠や、自白の信用性には「影響を及ぼさない」と結論づけた。

◎朝日新聞
名張毒ブドウ酒事件、再審請求認めず 最高裁
2013年10月17日12時15分

【田村剛】三重県名張市で1961年、女性5人が死亡した「名張毒ブドウ酒事件」で、最高裁は、殺人罪などで死刑が確定した奥西勝(まさる)死刑囚(87)の第7次再審請求を認めない決定をした。犯行に使われた農薬が、捜査段階で死刑囚が自白した「ニッカリンT」だったかが焦点だったが、第一小法廷(桜井龍子裁判長)は「自白した農薬と矛盾する証拠はない」と判断した。
 最高裁は16日付の決定で、奥西死刑囚の特別抗告を棄却。第7次請求では再審が開かれないことが確定した。4人の裁判官全員一致の意見。
 弁護団は近く第8次請求を申し立てるとみられる。ただ、奥西死刑囚は今年5月以降、2度にわたり危篤に陥るなど不安定な状態が続いており、時間との闘いは厳しさを増している。一方、高齢で医療刑務所に入っていることもあり、再審請求を申し立てない場合でも、死刑執行の可能性は低いとみられる。
 2002年に申し立てられた第7次請求審は、名古屋高裁が出した再審開始決定を高裁の別の部が取り消し、さらに最高裁がその判断を取り消して高裁に差し戻す異例の展開となった。争点は「ブドウ酒に、ニッカリンTを混ぜた」とする奥西死刑囚の自白の信用性に絞られていた。
 ニッカリンTに水分が加わると、特定の不純物が生じる。事件直後の捜査側の鑑定では、被害者が飲み残したブドウ酒からはこの不純物が検出されず、新品の同じ酒とニッカリンTを混ぜた「対照検体」からは検出された。弁護側は「飲み残しの酒に入っていたのはニッカリンTではなく別の農薬だ」として、自白に信用性はないと主張した。
 差し戻し後の名古屋高裁は、事件当時の製法をもとに製造したニッカリンTを用いて鑑定を実施。「エーテル抽出」という手法を使うと、不純物は検出されないとの結果を得た。これをもとに昨年5月、「飲み残しから不純物が出なかったとしても、農薬がニッカリンTであることと矛盾しない」と判断。再審請求を棄却する決定をした。第一小法廷も今回、同じ判断を示し、高裁決定を支持した。
 対照検体から不純物が検出された理由についても、「別の不純物がエーテル抽出後も残り、それが分解されて最初の不純物に変化したため」とする高裁の判断を支持した。

◎毎日新聞
名張毒ぶどう酒事件:死刑囚として40年余
毎日新聞 2013年10月17日 14時44分(最終更新 10月17日 15時22分)

 名張毒ぶどう酒事件の第7次再審請求審で最高裁から棄却決定受けた87歳の奥西勝死刑囚。無罪から死刑へという極めて異例の司法手続きを経て、既に40年余を死刑囚として過ごしている。事件発生から半世紀を超え、死刑確定からの期間も130人を超える死刑囚の中で2番目の長さ。体調管理を重視して、刑場のない医療刑務所に収容先を移されるのも異例の対応だ。再審の戦いは、残された体力との戦いでもあった。
 事件発生は1961年3月28日。当時35歳だった奥西死刑囚は連日事情聴取を受け、4月3日に逮捕される。事件への関与を自白し、異例の記者会見も開いて謝罪したが、そこから否認に転じた。1審で無罪を得て釈放されたものの、2審で死刑に暗転。最高裁も支持して72年に死刑が確定した。
 73年以降、無実を訴えて再審請求を繰り返した。日本弁護士連合会の支援を受けた77年の第5次再審請求は、97年の最高裁決定までに20年を要した。第7次請求から間もなく、初期の胃がんが見つかり、2003年に胃を3分の2摘出している。
 名古屋高裁が12年5月、再び再審を開始しない決定を出した直後、発熱で外部の病院に入院し、肺炎と判明。翌6月以降、体調管理を優先して八王子医療刑務所の病室でベッドに横たわる日々が続いている。【石川淳一】

◎時事通信
再審棄却に表情こわばる=医療刑務所で奥西死刑囚-名張毒ぶどう酒・弁護団
 名張毒ぶどう酒事件の奥西勝死刑囚(87)は17日午後、収容先の八王子医療刑務所で、最高裁が再審請求を退けたことを弁護団から知らされた。しばらく表情をこわばらせていたが、弁護士が「諦めずに次の再審請求をする」と声を掛けると大きくうなずいた。
 弁護団によると、今年に入って2度危篤状態に陥った奥西死刑囚は、個室のベッドに横たわったまま。右手を挙げて弁護士2人を迎えたが、喉に人工呼吸器が着けられて声を出すこともできず、面会は10分弱で終了した。(2013/10/17-22:02)

◎時事通信
Updated 2013年 10月 17日 22:00 JST
「最高裁は判断逃げた」=弁護団、不信あらわに?8次再審請求を表明・名張事件
 名張毒ぶどう酒事件で第7次再審請求が退けられた奥西勝死刑囚(87)の弁護団は17日、名古屋市内で記者会見し、最高裁が弁護側の特別抗告を棄却した決定について、「理由と言える理由が何も書かれていない。科学的な論点から逃げた判断だ」と批判した。第8次請求を行う方針も表明した。
 最高裁の決定書は17日午前、鈴木泉弁護団長の事務所に郵送で届いた。鈴木団長は「年内の再審開始決定を確信していたので、信じられないうつろな気持ちで読んだ」という。
 弁護側が検察側の主張に反論する意見書を9月末に出したばかりだったことから、鈴木団長は「最高裁は書面や証拠を本当に検討したのか」と批判。「裁判官は人の命を何だと思っているのか」と語気を強めた。「時事通信社]

◎産経新聞
再審開始に高いハードル 名張毒ぶどう酒事件
2013.10.17 18:28
 名張毒ぶどう酒事件で、奥西勝死刑囚側の特別抗告を退けた最高裁決定は、再審開始のハードルの高さを改めて印象づけた。今後、再審を申し立てるには、別の新証拠を探し出す必要があり、弁護側は非常に厳しい状況に立たされた。
 第7次再審請求の争点は「ぶどう酒に混入された毒物がニッカリンTだったのか」に絞り込まれていた。弁護側は鑑定結果などを根拠に「別の毒物」と主張。奥西死刑囚が自白したニッカリンTでないことが証明されれば、自白の根幹が揺らぐと考えたためだ。
 1度目の最高裁決定がこの点について審理を尽くすよう注文をつけ、名古屋高裁に差し戻した結果、今回の最高裁決定は、差し戻し後の再鑑定結果などが、検察側の主張を補強すると判断。鑑定をめぐる検察側と弁護側の「科学論争」に決着をつけた。足利事件や東京電力女性社員殺害事件など、DNA型鑑定が再審開始の決め手となったケースに対し、今回は鑑定結果によって弁護側主張が阻まれ、科学的証拠が弁護側の武器にも痛手にもなり得ることを示した形だ。
 事件から52年が経過し、奥西死刑囚はすでに87歳。第7次再審請求では、事件当時の鑑定方法が判然としなかったこともあり、科学論争に多くの時間が費やされ、長期化という課題も浮かび上がった。発生から時間が経過した再審事件の審理は多数残されており、今回の長期審理を教訓に、捜査段階の証拠保全や詳細な鑑定記録の保管などが求められている。(滝口亜希)

◎読売新聞
奥西死刑囚、再審請求認めぬ決定に天井見つめ…

 三重県名張市で1961年、女性5人が毒殺された「名張毒ぶどう酒事件」の第7次再審請求の差し戻し審で、最高裁第1小法廷が奥西勝死刑囚(87)の特別抗告を棄却したことに対し、同死刑囚の弁護団は17日、近く第8次再審請求を申し立てる方針を明らかにした。
 弁護団は名古屋市内で記者会見し、鈴木泉弁護団長は、最高裁の決定について、「結論ありきの不当な決定。直ちに第8次再審請求を申し立てたい」と批判した。最後の書面と位置付けた補充書の提出から2週間余りで最高裁が決定を出したことに、「我々が心血を注いで出した意見書や証拠を検討してくれたのか」と怒りをあらわにした。
 第7次再審請求で最大の争点となった毒物問題に関しても、棄却に至った理由を示していないと訴え、「人の命をなんだと思っているのか。強い憤りを感じる」と唇をかみしめた。第8次再審請求の時期や提出する証拠内容には触れなかった。
 また、弁護団の野嶋真人弁護士と伊藤和子弁護士は17日午後の約10分間、八王子医療刑務所で奥西死刑囚と面会。伊藤弁護士らによると、奥西死刑囚の顔色はよく、部屋に入ると右手を高く上げた。だが、野嶋弁護士が「ごめんなさい」と切り出すと、無表情になり天井を見つめていた。
 ただ、両弁護士が「絶対にあきらめないで」などと話しかけると、伊藤弁護士が握っていた手を強く握り返した。その後、何か話そうと口を動かしたという。
 両弁護士は「今回の決定にショックを受け、体調を崩さないか心配だ」と懸念を示した。
(2013年10月18日08時05分 読売新聞)

◎中日新聞
弁護団、近く8次請求へ 名張毒ぶどう酒再審棄却で
2013年10月17日 23時32分
 三重県名張市で1961年に女性5人が死亡した「名張毒ぶどう酒事件」の第7次再審請求審で、最高裁第1小法廷が奥西勝死刑囚(87)側の特別抗告を棄却する決定をしたことを受け、弁護団は17日、「科学的な論点からの判断は一切なく、結論ありきの不当な決定」として、近く第8次再審請求を名古屋高裁に申し立てる方針を明らかにした。
 犯行に使われた毒物が、奥西死刑囚が当初自白した農薬「ニッカリンT」かどうかが争点だったが、第1小法廷は16日付の決定で、「ニッカリンTであっても矛盾はなく、自白の信用性に影響はない」と判断。昨年5月の名古屋高裁決定を支持した。
 弁護側は事件当時の鑑定で、現場に残されたぶどう酒からニッカリンT特有の副生成物が検出されなかった点に着目し、「毒物は別の農薬で、自白の信用性が根底から崩れた」と主張していた。
 名古屋高裁は独自鑑定の結果、「鑑定方法によっては副生成物が検出されない」と再審請求を棄却し、第1小法廷も「高裁の鑑定は科学的根拠を示している」と判断。弁護団長の鈴木泉弁護士は17日記者会見し、「第1小法廷は、何ら科学的根拠に基づかない高裁の推論をそのまま認めている」と批判した。
 奥西死刑囚は八王子医療刑務所に収監され、寝たきりの状態が続く。今年に入り一時、呼吸困難で危篤状態に陥ったが、この日面会した弁護団のメンバーが第8次再審請求の方針を伝えると、大きくうなずいたという。
(中日新聞)

◎時事通信
林死刑囚の手紙不許可は違法=国に5万円賠償命じる-大阪地裁

 和歌山市の毒物カレー事件で殺人罪などに問われ、死刑が確定した林真須美死刑囚(52)が、弁護士に手紙を出すのを大阪拘置所が認めなかったのは違法だとして、国に100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、大阪地裁であった。田中健治裁判長は、不許可は違法として5万円の支払いを命じた。
 判決によると、林死刑囚は2012年5月、京都弁護士会所属の堀和幸弁護士に再審請求のため弁護を依頼する手紙を出す申請をしたが、同拘置所は6月、不許可とした。
 確定死刑囚は訴訟遂行に必要な手紙の発信が認められているが、国側は「既に再審の弁護人として10人が選任されており、手紙は訴訟遂行に重要ではない」と主張。しかし、同裁判長は「弁護士により得意分野も違い、新たな選任が必要ないとは言えない」と判断した。(2013/10/17-20:58)

◎読売新聞
「再審弁護人選任権を侵害」…国に賠償命令

 和歌山市の毒物カレー事件で死刑判決が確定し、再審請求中の林真須美死刑囚(52)が、収容先の大阪拘置所で弁護士宛ての手紙を送ることを許可されず、精神的苦痛を受けたとして、国に100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、大阪地裁であった。田中健治裁判長は「再審の弁護人を選任する権利の侵害にあたる」と述べ、国に5万円の支払いを命じた。
 判決によると、林死刑囚は再審請求後の2012年5月、同拘置所から、死刑制度廃止を訴える弁護士グループの代表者に手紙を送ろうとしたが、内部規定により事前の申請で認められた親族や弁護士らに送り先が限られ、許可されなかった。
 法務省成人矯正課は「判決内容を精査し、適切に対応する」としている。
(2013年10月18日 読売新聞)

◎西日本新聞
「冤罪のない社会実現を」 米国人元死刑囚が講演、19日から全国8市
2013年10月18日(最終更新 2013年10月18日 00時15分)
カーティス・マッカーティさん

 米国の裁判で再審無罪を勝ち取った元死刑囚の男性が19日から、熊本県玉名市や福岡市など全国8市で講演する。日本でも再審で無罪となる事件が目立つ中、身に覚えのない罪で死のふちに立った体験を語り、冤罪(えんざい)のない社会の実現を訴える。
 男性は、1982年にオクラホマ州で起きた殺人事件の犯人とされたカーティス・マッカーティさん(51)。18歳の女性が自宅で殺害された事件で、警察や検察は知人のマッカーティさんを調べた。事件現場にあった体毛を鑑定した専門家は、マッカーティさんの体毛と異なることに気付いていたのに「彼の体毛の可能性がある」と鑑定。遺体に付いていた体液の血液型がマッカーティさんと同じだったことなどもあり、死刑判決が確定した。
 しかし2000年、その専門家が別の事件でわざと誤った鑑定をしていたことが発覚。体液のDNA型がマッカーティさんとは違うことも担当弁護士が証明し、再審が始まった。マッカーティさんは無罪となり、21年に及ぶ獄中生活の後、07年に釈放。現在は世界各地で講演活動をしている。
 今回の講演は、福岡市で1947年に2人が殺害された「福岡事件」の再審実現を目指す「生命山シュバイツァー寺」(玉名市立願寺)が企画した。同寺の古川龍樹住職は「マッカーティさんの話を聞き、日本でも同様の例があることに気付いてほしい」と訴えている。講演は19日にシュバイツァー寺(要予約)、20日に福岡市のホテルクリオコート博多で、ともに午後2時から開催。参加無料。シュバイツァー寺=0968(72)3111。

 ■福岡事件
 1947年5月、福岡市博多区で旧軍関連物資の闇取引に絡み、中国人と日本人計2人が射殺された事件。強盗殺人罪などで7人が起訴され、首謀者とされた西武雄元死刑囚は無実を訴えながら死刑が確定し、75年に死刑執行された。シュバイツァー寺は「捜査が思い込みで進み、白紙の聴取書に署名をさせるなど問題が多い」として、再審無罪の実現を目指して活動を続けている。
=2013/10/18付 西日本新聞朝刊=

◎CNET JAPAN

駐日欧州連合代表部「永山事件~日本の死刑制度を考える」早大生が弁護士らに交ざりパネリストとして参加
早稲田大学
2013/10/21 20:34  From 共同通信PRワイヤー  2013年10月17日

早稲田大学広報課
駐日欧州連合代表部「永山事件~日本の死刑制度を考える」シンポジウム  
早大生2名が弁護士らに交ざりパネリストとして参加

2013年10月10日(木)、世界および欧州の死刑廃止デーに、駐日欧州連合代表部にて「永山事件~日本の死刑制度を考える」シンポジウムが開催され、本学学生である手嶋一心さん(大学院アジア太平洋研究科修士2年)と竹内美保子さん(国際教養学部4年)がパネリストとして参加しました。
 シンポジウムでは日本における死刑判決の基準や死刑制度の実態の不透明性などが課題として議論が交わされました。
 手嶋さんは(米国の死刑制度との比較をしながら)、「日本では死刑に関する情報がなかなか公開されず、従来制度を変える論争が生じにくい」という状況を強調しました。
また竹内さんは、「死刑制度の存廃は今すぐに決められる問題ではないが、問題意識を持ち続け死刑制度に向き合っていく必要性がある」と訴えました。
 パネルディスカッションではそのほか日弁連死刑廃止検討委員会事務局長の小川原優之弁護士(モデレーター)、元東京高等裁判所判事の木谷明氏、永山則夫元死刑囚の弁護人を務めた大谷恭子弁護士、永山元死刑囚の最後の面会者で、永山氏の遺志を受け継ぎ「永山子ども基金」の運営に携わる市原みちえ氏ら各氏が、事件発生から死刑執行、現在に至るまでの過程においてそれぞれの立場から永山氏との関わりや思いを述べ、死刑廃止についての議論を呼びかけました。

◎西日本新聞
名張事件 「疑わしき」は再審に道を
2013年10月19日(最終更新 2013年10月19日 10時32分)

 わが国の刑事裁判は、判決が確定すればその判断に拘束され、同じ案件では争えないのが一般原則となっている。
 例外もある。新たな証拠が見つかるなど判断に重大な瑕疵(かし)があり、有罪判決を受けた被告人の利益になる場合のみ、再審理と確定判決の取り消しを求めることができる。再審と呼ばれるものだ。
 だが、真犯人が現れるなど特殊な場合を除けば、手続きに時間がかかる上に認められるのも難しいとされる。このことを実感させる最高裁の判断だ。
 1961年の「名張毒ぶどう酒事件」(三重県名張市)で殺人罪などに問われ、死刑が確定した奥西勝死刑囚(87)の再審請求について最高裁が死刑囚側の特別抗告を棄却する決定をした。7度目となる再審請求も、これで再審理を認めない司法判断が確定したことになる。
 公民館での懇親会で、毒入りのぶどう酒を飲んだ住民5人が命を失った事件で、死刑囚の妻と愛人が犠牲になった。決定的な証拠がない中で、死刑囚が「三角関係清算のためぶどう酒に農薬を混ぜた」と自白して逮捕されたが、その後は「自白は作られたもの」と否認に転じた。
 一審は自白の信用性が疑われ無罪となったが、二審で有罪となり、72年に死刑が確定した。再審請求は40年にも及ぶ。
 2002年4月に行われた今回の請求では、ぶどう酒に入れられた毒物が、死刑囚が自白した農薬だったかどうかが焦点だった。弁護側が独自の鑑定結果を示して「別の農薬が使われた」と主張し、名古屋高裁が05年に再審開始を決めながら、翌年に別の裁判長が取り消した。
 最高裁から審理を差し戻された名古屋高裁は12年に、弁護団も検察も主張していない独自の見解を示し「犯行に使われた毒物は自白した農薬と矛盾しない」と結論付けていた。今回の最高裁決定は、この高裁判断を追認した形だ。
 ただ、これまでの証拠から犯行に使用された毒物が完全に特定できたとは言い難い。もし確定判決の証拠の信頼性に疑問があるなら、審理をやり直すべきではないか。また、自白した農薬が犯行に使われた毒物でないことを死刑囚側が証明できなかったのを理由に再審を拒むのは「疑わしきは被告人の利益に」という刑事司法の鉄則に反しないのだろうか。
 犯罪者が罰を受け、その罪を償うのは当然である。だが、無実の人が有罪とされるようなことは決してあってはならない。誤判や冤罪(えんざい)を防ぐためにも、再審のような救済制度の拡充が必要だ。
 科学技術の発達でDNA型鑑定の精度も高まり、有罪を立証すると同時に、再審で無罪となった足利事件のように無実を証明する役割も担うようになった。
 米国では誤判救済活動によって、昨年6月現在でDNA型の再鑑定で死刑囚など約300人が釈放された。これを受け、DNA型の再鑑定を受ける権利を保障する制度もできたという。日本でも真剣に導入を検討すべきだ。
=2013/10/19付 西日本新聞朝刊=

◎愛媛新聞
名張事件 再審遠のく 今こそ推定無罪の原則適用を 2013年10月20日(日)

 再審への道が事実上、閉ざされたに等しい判断だ。
 三重県名張市で女性5人が死亡、12人が中毒症状になった1961年の「名張毒ぶどう酒事件」で、死刑が確定している奥西勝死刑囚の再審請求について、最高裁第1小法廷が特別抗告を棄却した。
 事件で使われた毒物が、奥西死刑囚が「自白」した「ニッカリンT」だったことに矛盾はない、との判断だ。これで、7度目の再審請求に関しても裁判所が再審開始を認めない司法判断が確定した。
 弁護団は近く8度目の再審請求を申し立てる。しかし事件から52年が過ぎ、開始に必要な「新証拠」の提示は難しい。87歳で健康状態も懸念される奥西死刑囚にとって、極めて厳しい状況である。
 名張事件は、過去の再審無罪事件のような最新のDNA鑑定がない。しかし、明白な物証もない。自白と状況証拠で有罪とされた事件だけに、棄却には疑問符が付く。
 司法は「疑わしきは被告の利益に」の原則にのっとり、再審開始を勇断すべきだ。
 名張事件は、複雑な過程を経た上で有罪となった。一審では、証拠不十分で無罪。しかし控訴審で一転、逆転有罪で死刑。最高裁で上告が棄却され、死刑が確定した。
 割れる判決自体が、審理の難しさの証左だ。加えて、請求審でも揺れた。
 第7次請求審で名古屋高裁が2005年4月、「死刑囚以外に犯行の機会があり、別の毒物の可能性もある」と再審開始を決定。しかし06年12月、別の裁判長が検察の異議を認め決定を取り消した。
 犯行を証明する物証も、否定する物証もないまま、司法はいたずらに時間を空費したのだ。再審で事件の核心に迫る審議を尽くすことを、ためらうべきではあるまい。
 そもそも当初の証拠は、奥西死刑囚がニッカリンTを混入したとされる孤立の10分間や、ぶどう酒の王冠に残った歯形、農薬を入れた竹筒の有無などだ。しかし一連の裁判や請求審で、これらは証拠能力を否定されている。
 そもそも、これだけあいまいな証拠しか提示できなかった責任は捜査側にあるのだ。半世紀もの間、自白を偏重して、あいまいな証拠をめぐり一人の人間の運命をもてあそんだことに対する猛省を、捜査側にも促したい。
 最後に残った争点は農薬の種類だ。だから最高裁が10年4月、「毒物の解明」に争点を絞り審理を高裁に差し戻した姿勢にはうなずける。ならば弁護団が指摘するように、最高裁独自の判断で再審開始を決定すべきだった。
 奥西死刑囚は今年、医療刑務所で2度も危篤状態に陥ったという。司法に正義があるなら、あらためて「推定無罪の原則」を直視すべきだ。

◎高知新聞
【毒ぶどう酒事件】毒ぶどう酒事件再審制度の在り方を問う
2013年10月21日07時58分
 ようやく開きかけた再審の扉がまた閉じられた。
 三重県名張市で1961年、女性5人が死亡した名張毒ぶどう酒事件で、最高裁は奥西勝死刑囚の7度目の再審請求を認めない決定をした。最高裁は「事件で使われた毒物が自白通りの農薬だったことに矛盾はない」と判断した。
 自白以外に物証に乏しく、いまだに疑問点が解消されていない。しかも死刑囚は87歳の高齢で、一時危篤状態に陥ったこともあるという。残された時間は少ない。
 弁護団は近く8度目の再審請求を申し立てる意向だ。これを機に、事件の真相解明につなげたい。
 事件は複雑な経過をたどってきた。一審の津地裁が無罪とし、名古屋高裁で逆転の死刑判決が出た後、最高裁で確定した。
 7度目の再審請求審で同高裁は2005年、いったん再審開始を決定したが翌年、高裁の別の裁判長が検察側の異議を認めたため決定は取り消された。10年に最高裁が審理を高裁に差し戻し、高裁が昨年、あらためて再審請求を棄却した。
 今回の請求の争点は、実際にぶどう酒に入れられた毒物が死刑囚が自白した農薬だったのかどうかだ。
 弁護側は独自鑑定で、毒物が自白した農薬とは別のものだったとする新証拠を出した。05年はその主張が認められ、再審開始が決まっている。
 だが、差し戻し審では名古屋高裁が新たに実施した鑑定で弁護側が主張する結果と異なるデータも示され、弁護側の訴えを退けた。最高裁もこの判断を支持した。
 ただ、農薬が毒物と別物だった可能性が消えたわけではない。最大限の検証が尽くされたのか疑問が残る。
 最高裁は1975年の白鳥決定で、「疑わしきは被告人の利益に」との刑事裁判の鉄則が再審請求にも適用されると判断した。今回の結論がその理念に沿ったものといえるだろうか。
 7度目の再審請求から今回の最高裁決定まで10年以上かかった。費やした長い年月を見ても、再審制度の在り方が問われよう。
 再審請求をめぐっては近年、証拠開示の拡大や鑑定技術の向上で再審を認めるケースが相次いでいる。だが、その手続きは外から見えにくい。分かりやすいルールの整備も必要だ。

◎ハフィントン・ポスト
「名張毒ぶどう酒事件」奥西勝死刑囚の再審請求認められず 海外が指摘した司法制度の問題点
NewSphere | 執筆者: NewSphere編集部 投稿日: 2013年10月19日 12時04分 JST | 更新: 2013年10月19日 12時04分 JST

死刑確定から40年間…奥西死刑囚の再審請求認められず 海外は司法制度の問題を指摘

 1961年に三重県名張市で農薬入りのぶどう酒を飲んだ17人が中毒症状を起こし、うち女性5人が死亡した「名張毒ぶどう酒事件」の7回目の再審請求で、最高裁は16日、奥西勝死刑囚(87)の再審を認めない判決を下した。
奥西死刑囚は事件当初、妻と愛人との三角関係を清算するため、ぶどう酒に農薬を入れたと自白し、殺人容疑で逮捕された。同死刑囚は後に、自白は強要されたものとして撤回。1964年の津地裁は証拠不足で無罪、1969年の名古屋高裁は逆転死刑、1972年に最高裁で死刑が確定した。昨年高熱を出し、名古屋拘置所から八王子医療刑務所へ移送された。
 今回弁護側は、毒物は別の農薬であるとの新しい証拠を提出し、自白の信用性が崩れたと主張。しかし最高裁は、当時の自白は有効としてこれを棄却した。
 国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは17日、「法を歪曲した茶番」だとこの判決を批判。「弁護士なしでの自白強要など、本事件の欠陥のある尋問過程は再審されるべき。彼の危険な健康状態を考慮すれば、より急務である」と語った。
【日本の司法制度の問題点】
 奥西死刑囚は死刑確定から40年以上たつ、世界でも最高齢の死刑囚の1人だ。弁護側は8回目の再審請求を申し立てる方針を明らかにしているが、このプロセスには数年を要する。つまり今回の最高裁の決定は、老齢か死刑執行により、同死刑囚が刑務所で死ぬことを意味する。
 日本の司法制度は自白に大きく依存しており、しばしば拷問や虐待を伴う。また、尋問の長さに明確な制限はなく、弁護士の同席は認められていない。さらに死刑囚は独房に収容され、執行のわずか数時間前に告知を受ける。
 日本には現在130人以上の死刑囚がおり、安倍首相が2012年に就任して以来、6人が死刑を執行されていると、アムネスティ・インターナショナルは指摘している。同団体は、例外なくすべてのケースにおける死刑に反対しており、日本政府に対し、まず死刑執行を一時停止するよう要請している。
 スペシャル・ブロードキャスティング・サービスは、先進民主国家で死刑を執行するのは米国と日本だけで、欧州政府や人権団体が繰り返し抗議していると報じた。

【世界最長の死刑囚】
 世界最長の死刑囚は、1968年に死刑が確定した袴田巌(77)だ。袴田氏は警察による20日間にわたる尋問後に自白、上司とその家族を惨殺したとして死刑判決を受けた。その後、自白を撤回したものの、今も独房で監禁され、精神的な病に苦しんでいる。
 3人の元裁判官の1人は、「彼は無罪と思う」と異例の告白をした。弁護士によると、最近の法医鑑定では、彼のDNAと犯人が着ていたとされる衣類サンプルが一致しないという。アムネスティ・インターナショナルはこのケースについても、再審されるべきと主張している。

◎北海道新聞
名張事件 再審への門を広げたい(10月19日)

 再審請求からの長い歳月と、司法判断が大きく揺れた経過を振り返ると、いくつもの疑問を禁じ得ない。
 三重県名張市で1961年、女性5人が死亡した「名張毒ぶどう酒事件」で死刑が確定した奥西勝死刑囚(87)の請求はまたも認められなかった。
 最高裁が死刑囚側の特別抗告を棄却する決定をした。7度目となった今回の請求に対する司法判断は確定し、死刑囚側は新たな再審請求を申し立てる意向だ。
 最大の争点は、ぶどう酒に混入された毒物が、死刑囚が捜査段階で自白した通りの農薬かどうかだった。
 最高裁は、新たに提出された証拠の価値を否定し、「事件で使われた毒物が自白通りの農薬だったことに矛盾はない」と判断した。
 日弁連が「正当な判断とは到底認めがたい」とする会長声明を出したのは当然だ。死刑囚と犯行を直接結びつける物的証拠はなく、犯人とするには疑問が多過ぎるからだ。
 確定判決は、自白調書をよりどころとし、死刑囚が農薬を自宅に保管していたことなどの間接証拠で補強する形で、有罪を導いた。
 だが、「死刑囚の犯行として矛盾はない」という程度の間接証拠を積み重ねても脆弱(ぜいじゃく)さは解消できない。本人は逮捕後、否認を貫いている。
 「疑わしきは被告人の利益に」との刑事裁判の鉄則はどこに行ったのか。ましてや死刑判決である。自白調書の矛盾を指摘した一審の無罪判決こそ、尊重されるべきだ。
 再審請求から11年かかったのも重大問題だ。死刑囚の年齢を考えれば人道上、許されない。8年前、名古屋高裁が再審開始を決定したのに検察の異議申し立てが認められて取り消された経緯も忘れてはならない。
 再審請求審の在り方の見直しが迫られていると言わざるを得ない。
 最高裁は75年の「白鳥決定」で、有罪の事実認定に合理的な疑いが生じれば再審開始を認める、とした。
 だからこそ、開始するかの判断は弾力的にし、再審の公開法廷で審理を尽くすべきだ。開始決定への異議申し立てを認めてはならない。
 再審請求審と再審で弁護側が検察に未提出証拠を開示請求できる制度も必要だ。現行制度は裁判員裁判の事件などに限っているが、対象の拡大が求められる。
 証拠開示については刑事司法制度改革を論議している法制審議会の特別部会で検討が進められている。
 過去の冤罪(えんざい)事件では犯人とされた人に有利となる証拠が事実上隠されていたことも判明している。特別部会には、この教訓を重く受け止め、改革の名にふさわしい制度実現に向けた判断を求めたい。

◎朝日新聞
(社説)再審の壁 手続きの整備が必要だ  2013年10月19日05時00分

 裁判で有罪が確定したあとでも、その結論を覆すような新証拠が見つかれば、改めて審理する。それが再審である。
 三重県で52年前に起きた名張毒ブドウ酒事件で、最高裁は死刑囚の再審を認めなかった。
 もともと自白と状況証拠で有罪となった事件である。一審は無罪。名古屋高裁もいったんは再審の開始を認めた。複数の裁判官が有罪に疑いをもった。
 弁護側が出した新証拠は、犯行に使われた農薬は、死刑囚が自白したものとは別だった可能性がある、というものだった。
 だが、最高裁は、再審を開くほどの証拠ではないと判断した。一方で、農薬が別物だった可能性は依然残る。再審を始めるのに必要な新証拠のハードルはどこまで高くすべきなのか、すっきりしない結論だ。
 最高裁は1975年、「疑わしきは被告人の利益」とする原則が、再審開始の判断にも適用されるとの決定を出した。その理念に立ち返り、再審のあり方を再考すべきではないか。
 確定判決は尊重されるべきだが、誤りだった場合は救済されねばならない。まして死刑になれば、取り返しがつかない。
 そもそも再審を始めるかどうかの審理は事実上、有罪か無罪かの判断に結びついている。だが、その手続きには具体的な規定が乏しく、裁判所の裁量が大きい。証拠の取り扱いや被告人の権利をめぐる公判のようなルールがなく、非公開のなかで判断されている。
 刑事訴訟法ができた当時、再審は例外的と考えられていた。だが75年の決定をうけ80年代、4件の死刑確定事件が再審で無罪となった。近年も、足利事件、布川事件、東電社員殺害事件など、再審無罪が相次いでいる。再審の可否をめぐる手続きについて整備すべきだろう。
 さらに、再審の可能性を見すえた証拠の保存や開示のあり方についても議論が必要だ。
 今回は、重要な証拠だった毒ブドウ酒が保存されていなかったため再鑑定できず、当時の鑑定方法も分からなかった。
 事件から時間がたつほど新証拠を見つけるのは難しくなる。一方で、DNA鑑定など技術の進歩により、証拠の価値は時とともに重みを変える。
 重要な証拠が検察側の手に埋もれていることもある。これまでの再審請求審では、裁判所が検察側に促して出てきた証拠が大きな役割を果たした。
 とりわけ死刑事件については、求められた証拠を確実に開示しない限り、刑の執行への理解は得られまい。

◎毎日新聞
社説:毒ぶどう酒事件 再審制度の改革必要だ  毎日新聞 2013年10月19日 02時31分

 三重県名張市で1961年に起きた「名張毒ぶどう酒事件」で、最高裁が奥西勝死刑囚の第7次再審請求を退けた。事件に使われた毒物が、捜査段階で奥西死刑囚が自白した農薬だったのかが焦点だった。最高裁は「別の農薬の疑いがある」とする弁護側の鑑定の新証拠としての価値を認めなかった。
 事件後まもなく逮捕・起訴された奥西死刑囚に対し、津地裁は64年、無罪を言い渡した。その後、名古屋高裁で死刑判決が言い渡され、最高裁で確定。第7次再審請求審で高裁が2005年、いったん再審開始を決定したが、その結論は覆った。
 奥西死刑囚は87歳で、今年に入って一時、危篤状態になった。司法判断の揺れが、一人の人生を翻弄(ほんろう)したといってもいい。「疑わしきは罰せず」という刑事裁判の大原則に照らして、刑事手続きは適切だったと言えるのか。少なくとも、再審開始決定が出ても検察が異議をとなえれば再審裁判が始まらない制度は、改善の余地があると指摘しておきたい。
 日本は死刑を存置する。冤罪(えんざい)を主張する奥西死刑囚をめぐって問われたのは、「死刑」か「無罪」かの究極の選択だ。判断を誤れば取り返しがつかない「死刑」の選択に当たって、「疑わしきは罰せず」の大原則は一層の重みを持つ。また、最高裁は、75年の白鳥決定で、その大原則が再審にも当てはまると判断した。「開かずの扉」と言われた再審の門戸を事実上、広げたものだった。
 そうした前提に立つと、あまりにも長い月日を要した今回の刑事手続きに疑問を抱かざるを得ない。
 自白以外の物証に乏しい事件だ。1審の無罪判決は、自白の信用性に疑問を投げかけた。最高裁で死刑が確定し、奥西死刑囚が再審手続きを始めたのは73年だ。05年の再審決定は、他者による犯行の可能性に踏み込み、自白の不自然さを強調。事実上2度目の「無罪」だった。自白偏重の弊害は、足利事件でも指摘された。再審請求審は裁判のやり直しをするか否かを決めるもので、有罪・無罪の結論を出すわけではない。ならば一度、再審開始の決定が出たら、いたずらに時間を浪費しないためにも、原則として再審裁判に直ちに移行し、決着させるべきではないか。
 再審請求審では、弁護側に新証拠の提出が求められる。だが、検察に証拠開示の裁量がある現状では、弁護側に有利な証拠が開示されない懸念が残る。刑事制度の改革を目指す法制審議会の部会でも、相次いだ再審無罪判決を踏まえて、この点が議論になっている。通常の裁判とは別途証拠開示の方法を考えるべきだとして、今も検討中だ。再審制度の改革に踏み切る契機としたい。

◎CNN
絞首刑後に「生存」判明、再執行はせず イラン  2013.10.24 Thu posted at 12:09 JST

(CNN) イランで絞首刑を執行され、医師の死亡宣告を受けたにもかかわらず、その後生存が判明した男をめぐり、同国法相は24日までに、死刑の再執行はないと表明した。イラン国営通信(IRNA)が伝えた。
 地元紙の報道によれば、死刑囚の男は37歳。違法薬物1キログラムを所持していた罪で死刑判決を受けていた。
 死刑は9日に執行され、男は12分間にわたって首をつられた状態になった後、医師が死亡を宣告して安置所に運ばれた。
 だが翌日、安置所の職員は男の体を包んでいたビニールの口に近い部分が息で曇っていることに気づいた。男は病院に運ばれ治療を受け、快方に向かっているという。
 家族は刑の再執行をしないよう求めていたが、死刑判決を下した判事や聖職者からは当初、再執行すべきだという声が上がっていた。
 だがイラン学生通信によれば、同国の司法トップは22日、「私見」だと断ったうえで、「男は終身刑に減刑すべき」だと発言。同代表は23日にも、「刑が執行され、死を体験し苦しい思いをした男性への処遇の1つとして、慈悲を見せることが考えられる」と意見を述べた。
 死刑を言い渡した判事には再執行中止に異議を唱えることができるが、異議は唱えないものとみられている。
 イランではイスラム法の解釈により、姦通罪により有罪となった死刑囚が石打ち刑で死ななかった場合などに限って、再処刑を免除することが認められている。だがイランの司法関係者によれば、今回のケースはこれには当てはまらないという。

◎MSN産経
1審死刑、2審無期懲役の千葉大生殺害事件 「どちらの命が重いのか」 極刑望む遺族、舞台は最高裁へ
2013.10.26 07:00 [刑事裁判]
一審死刑判決を破棄した東京高裁判決について記者会見する、殺害された荻野友花里さんの両親=22日、東京・霞が関

 裁判員の下した死刑という結論は、なぜ覆されたのか-。千葉県松戸市で平成21年、千葉大4年の荻野友花里さん=当時(21)=を殺害したなどとして強盗殺人罪などに問われた無職、竪山辰美被告(52)への死刑判決が控訴審で破棄された。検察側と弁護側双方が、判決を不服として上告。裁判員の死刑判断の適否を問う舞台は、最高裁に移された。「娘より犯人の命の方が重いのか」。荻野さんの両親は、極刑を求めて上告審の行方を見守る。
 命日に上告
「今日は4年前、友花里が竪山に殺されて燃やされた日です。昨日、高検から上告という知らせを受けて、友花里の日に上告していただいて、大変うれしく思っております。今回の裁判については全然、納得がいきませんでした」

 上告を受けて22日に会見した荻野さんの父、卓(たかし)さん(64)は、報道陣を前に、苦しい胸の内を語った。東京高検が上告した21日は荻野さんが亡くなったとされる日。弁護側が上告した22日は、竪山被告が現場に戻って室内に放火した日だ。
 今月8日、東京高裁が言い渡した判決は、卓さんと妻、美奈子さん(61)にとっては信じられないものだった。
 「主文、原判決を破棄する。被告人を無期懲役に処する」
 高裁の村瀬均裁判長が読み上げた主文の意味するところは「被告に科すべき刑は、死刑ではなく無期懲役」。1審千葉地裁の裁判員裁判が出した判決を覆すというものだった。
 「私も主人も、頭が真っ白になりました」と美奈子さん。卓さんも「え?! あんだけ何日もかかって死刑(判決)をもらったのに、と思った」と振り返る。
 1、2審判決によると、竪山被告は21年10月20日夜ごろから21日未明にかけて、松戸市のマンションの荻野さん宅に侵入。包丁で脅して現金などを奪った上、胸を刺して殺害。翌22日には、証拠隠滅のため現場に戻り、室内に放火するなどした。
 竪山被告は、強盗致傷などの罪で懲役7年の判決を受けて服役。21年9月1日に満期出所し、わずか約1カ月半後の犯行だった。
「裁判で無念晴らして」
 裁判員裁判によって行われた1審では、荻野さんが殺害された、いわゆる「松戸事件」の前後に、竪山被告が強盗致傷や強盗強姦を繰り返していたことなどを重視。「松戸事件」以外の犯行でも刃物を使用しており、場合によっては他の事件でも被害者の生命身体に重篤な危害が及ぶ危険性があった、として「死刑をもって臨むのが相当」と結論づけた。
 これに対して、2審が死刑回避の理由として挙げたのが「先例」だ。
 「殺害された被害者が1人で、殺害行為に計画性がない場合には死刑は選択されないという先例の傾向がある」と指摘。先例とは異なる結論を採るにあたって「合理的かつ説得力のある理由を示したものとは言い難い」と判断した。
 「死刑以上の判決をずっと訴えてきたので、死刑は当たり前だと思っていた」という卓さん。無期懲役と結論づけた2審判決に、憤りをぶつけた。
 「友花里の無念さを晴らすために頑張ってきたつもりです。選ばれた裁判員さんが、何日もかかって決めたことを無視するかのように、覆すというのは、どうしても納得がいかない」
 21年10月23日、千葉県警松戸署からの連絡で、平穏な生活は大きく変わった。兵庫県の実家を離れて千葉県で暮らす友花里さんの死を伝える内容だった。あれから4年。ようやく得た死刑判決も、高裁でのわずか1度の審理で覆されてしまった。
 「被害者の命と犯人の命、どちらが重たいんでしょうか」と訴える美奈子さんもまた「死刑以上の重い罪があれば、そのような罪にしてほしい」と求める。
 美奈子さんは、「友花里は『お母さん、私の命、こんなもんとは違うでしょ。お父さんとお母さん、頑張ってよ』って言っていると思います」と話す。
 卓さんと美奈子さんは、最高裁でも審理に立ち会えるよう、被害者参加を求めている。
 「私らの無念を晴らしてくれるのは、裁判だと思っています」と卓さん。美奈子さんも「最高裁で、死刑の判決がきっちりと出されることを願っています」と話した。

◎Slashdot
EUの輸出規制により、米国での死刑執行が延期される  ストーリー by headless 2013年10月27日 15時19分
EUの輸出規制が原因で、米ミズーリ州で10月23日に予定されていた薬物注射による死刑執行が延期されたそうだ(Natureの記事、 本家/.)。

 米国の薬物注射による死刑では、死刑囚に苦痛を与えないために最初に麻酔薬を注射するが、今回は麻酔薬として初めてプロポフォールが使われる予定だった。しかし、米国では外科手術用の麻酔薬としてプロポフォールが年5千万回近く使われており、供給の90%をドイツからの輸入に頼っている。EUでは死刑や拷問に使われる可能性のある薬品や機器に対する輸出規制があり、死刑執行に使用すると医療用の麻酔薬としての入手も困難になることが懸念される。2011年には麻酔薬の品不足を解消するためにイタリアでチオペンタールの製造を計画した米製薬会社が、現地当局から死刑に使用しないことを要求されて断念したこともあり、今回の死刑執行は一時延期となったとのこと。

◎東京新聞
裁判員の苦悩 今も 14人の体験談、一冊に  2013年10月29日 夕刊
裁判員経験者の声を本にまとめた田口真義さん=東京都練馬区で

 悩み抜いた上で選択した結論は、裁判員の役目が終わった後も重くのしかかった。以来、刑執行のニュースが流れるたび「あの被告では」と名前を探してしまう。二〇一一年六月、横浜地裁が言い渡した死刑判決に関わった男子大学生の胸には、友人が放った「人を殺したのか」の一言が今も突き刺さる-。
 評議内容などを話すことを禁じる「守秘義務」を課せられた裁判員経験者の肉声を、自らも経験者の田口真義さん(37)=東京都練馬区=が一冊の本にまとめた。インタビューに応じた十三人は、閉じ込めていた思いを「まるで吐き出すように」語ったという。
 さいたま地裁で殺人事件の審理に加わった女性は二児の母だ。妻子のある被告に検察が死刑を求刑し、評議では裁判員が考え込んで室内が静まり返った。
 求刑通り判決を言い渡した法廷で、傍聴席にいた被告の妻が泣きだした。「泣かせているのは私たちなんだ。私がお父さんを奪うことになっちゃうのかな」。夜も眠れぬくらいに悩んだ結論を受け止めてほしい、と思いを強くした。
 東京地裁で強盗殺人事件の裁判員席に座った女性は、初公判に出廷した小柄でおとなしそうな男性被告を見て驚いた。
 万が一にも冤罪(えんざい)を生むわけにはいかない。審理に全身全霊を込め、帰宅するとベッドに転がり込む生活が続いた。死刑の結論には納得しているが「やり尽くした感はあるが、やっぱり重い」と複雑な感情を抱え続ける。
 「それぞれに物語がある。自分の思いを伝えたいと考えている経験者は多いはず」と田口さんは話す。何も話せずに悩む全国の裁判員経験者や、まだ選ばれたことのない人にリアルな声を届けたい、と精力的にインタビューを続けた。
 田口さん自身の体験談も盛り込んだ「裁判員のあたまの中 14人のはじめて物語」(現代人文社)は十一月上旬ごろから書店に並ぶ予定だ。
 <裁判員の守秘義務> 裁判員法は、判決内容を決める評議・評決の具体的な中身や事件関係者のプライバシーなど、裁判員が職務上知り得た秘密を第三者に漏らしてはならない、と定めている。違反すれば6月以下の懲役か50万円以下の罰金で、守秘義務は生涯にわたり課せられる。公判で見聞きしたことや裁判員を務めた感想は対象とならない。

◎AFPBB
米、死刑賛成派は60% 40年ぶりの低水準 
2013年10月31日 18:05 発信地:ワシントンD.C./米国
【10月31日 AFP】米世論調査会社ギャラップ(Gallup)が29日発表したところによると、米国で死刑に賛成する人の割合は、過去40年間で最も少ない水準となったが依然、6割が賛成しているという。
?調査では回答者の60%が、有罪判決を受けた殺人犯の死刑を支持した。この割合は、死刑賛成派が57%だった72年11月の調査以来、最も低い数字となったが、一方で回答者の約44%が、判決で十分に死刑が科されていないと答えた。
 米国で死刑に賛成する人の割合は、94年に10人中8人と最高に達し、それ以降は徐々に低下している。
 死刑は米50州のうち32州で行われており、首都であるワシントン・コロンビア特別区(Washington D.C.)と18州では廃止されている。
 調査は10月3~6日に、1028人を対象に実施された。(c)AFP

◎東京新聞
核心 毒ぶどう酒事件請求棄却 再審の壁あまりに高く 長期収監の死刑囚十数人
2013/10/18 東京新聞朝刊 3ページ
 名張毒ぶどう酒事件の奥西勝死刑囚(87)の七度目の再審請求を、最高裁が棄却した。事件発生から五十二年。「強要された」とする自白をめぐって、司法判断は無罪と死刑の間で揺れた。弁護団は十七日、即座に「第八次請求」にのぞむ方針を表明。半世紀を独房で過ごし、「決着」を見ずに漂う死刑囚の存在は、日本の司法制度に何を問うているのか。(名張事件取材班)
 ■「自白」
 「事件当初、調書がどんなに大事なものか知らなんだ。後でウソと言えば、分かってもらえると思っていた」
 奥西死刑囚との面会を重ねた支援者の川村富左吉さん(故人)が残した十冊の「面会ノート」には、奥西死刑囚が自白を悔いる場面が何度も出てくる。
 奥西死刑囚は事件の数日後、「三角関係の清算のため、ぶどう酒瓶の王冠を歯でかんで開け、農薬ニッカリンTを入れた」と自供した。しかし公判段階で否認に転じ、取調官から「家族が村の者に『土下座して謝罪せよ』と言われ、苦しんでいる。家族を救うためにはおまえが自白するほかない」などと自白を強要されたと訴えた。
 犯行を裏付ける有力な物証はなく、裁判は「自白」を軸に、状況証拠と裁判官の心証で判決が下されてきた。「再審開始」を取り消した二〇〇六年の異議審決定は、自白の検討に四十ページも割き、「極刑が予想される重大殺人事件で、やすやすとうその自白をするとは考えにくい」と断じた。
 ■半世紀
 人権団体の調べでは奥西死刑囚以外にも、収監が二十年以上に及ぶ高齢の死刑囚は十数人いる。ギネスブックは一一年、袴田巌(はかまだいわお)死刑囚(77)を「世界で最も長く収監されている死刑囚」に認定した(一審判決以降の収監年数で計算)。
 刑事訴訟法上は、死刑の執行命令は確定から六カ月以内になされなければならない。しかし再審請求中は執行されない現実がある。
 収監長期化をめぐり、司法関係者の中には「執行を遅らせるためだけの再審請求がある」と懸念する声がある。一方、「合理的な疑いがあるなら、再審を開くべきだ」との意見も法曹界に根強い。
 刑事裁判や再審請求に長い時間を要することについて、名城大の加藤克佳教授(刑事訴訟法)は検察官の上訴権を問題視する。
 加藤教授によると、米国は第一審重視であり、陪審による一審無罪の事実認定に対して検察官の控訴を認めていない。ドイツでも重大事件では基本的に同様で、上告理由は法令違反に限られる。再審開始決定が出た場合も検察官は不服申し立てができない。
 諸外国には同様の制度を採用する国が多いが、名張事件はその正反対だといい、加藤教授は「名張は一審無罪だったが、控訴審で覆された。また、日本では再審が開かれるまで、また開かれてからも高いハードルを何度も越えなければならない」と指摘。「いったん再審開始決定が出た場合は再審を開くべきだ。検察は再審公判の場で争うことができる」と主張する。
 ■裁判員
 裁判員制度開始(〇九年)をにらみ、公判の争点を裁判官、検察、弁護側が事前に整理する「公判前整理手続き」が導入され、重大事件の審理は大幅に短くなった。加えて、検察関係者は「現在なら取り調べの可視化(録音・録画)で、自白の任意性や信用性は一目瞭然となった」と話す。
 「本当に自白を強要するようなやりとりがあれば、そもそも起訴されなかったかもしれない。もちろん、逆もある。録音録画のDVDがあれば、名張事件もこんなには長引かなかったのではないか」
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