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<裁判員裁判>死刑は被害者数を重視、司法研修所が報告

毎日新聞 7月23日(月)22時38分配信
 最高裁司法研修所は23日、裁判員裁判での量刑評議の在り方に関する研究報告をまとめ「死亡した被害者数と死刑判決にはかなりの相関関係があり、死刑宣告に当たっての最も大きな要素は被害者数」と結論付けた。09年5月の裁判員制度導入で市民が死刑判断に関わるようになったことから、量刑判断の参考にしようと実施された研究で、今後の裁判員裁判での死刑選択の判断に影響を与える可能性がある。

 また、死刑判断基準の判例とされ、83年の最高裁判決で示されたいわゆる「永山基準」については「単に考慮要素を指摘しているだけで、基準とはいい難い」と指摘した。

 研究は、80~09年の30年間に確定した死刑求刑事件(いずれも裁判官のみの裁判)のうち、死刑か無期懲役判決が確定した殺人事件346件(被告数は延べ346人)を対象に実施した。346件のうち死刑は193件、無期懲役は153件だったが、死亡した被害者の数ごとに死刑が確定した割合を見ると、被害者数が1人では32%なのに対し、2人では59%、3人以上では79%に上った。

 被害者1人で死刑が言い渡された32件のうち、10件は無期懲役刑で服役し仮釈放中に起こした事件。身代金や保険金目的、わいせつ目的誘拐の殺人も目立つ。被害者3人以上の82件の内訳を見ると、無期懲役となった17件中7件で心神耗弱が認められた一方、強盗殺人罪に問われた21件は全員が死刑となった。

 永山基準を巡っては「基準とはいい難い」とした上で、そこで示された考慮要素について「各事件の判決文に表れた事実の重みはそれぞれ固有のもので、軽重を客観的に評価するのは困難」とした。

 また、裁判員の死刑判断は避けて通れないが、重大事件こそ国民の意見を反映させるべきだと指摘した。

 今回の報告書は、研修所の委嘱を受けた学者1人と裁判官3人がまとめた。【石川淳一】

◇永山基準

 最高裁が83年7月、連続射殺事件の永山則夫元死刑囚への判決で示した死刑選択基準。(1)事件の罪質(2)動機(3)態様(特に殺害手段の執拗<しつよう>性・残虐性)(4)結果の重大性(特に被害者数)(5)遺族の被害感情(6)社会的影響(7)年齢(8)前科(9)事件後の情状--を総合的に考慮し、責任が極めて重大でやむを得ない場合に死刑が許されるとした。多くの判決で引用されている。
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