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死刑制度 多面的、理性的な論議を

<琉球新聞2015年1月27日>
 法制度は将来にわたって全国民を拘束する。だから制度論は多面的な調査に基づくべきであり、理性的に論ずべきだ。
 内閣府による死刑制度に関する世論調査で、死刑制度容認は80・3%に上った。前回より容認がわずかに減り、廃止論がわずかに増えた。設問の変更が影響したと見る向きが多い。

 従来の選択肢は(1)どんな場合も死刑は廃止すべきだ(2)場合によっては死刑もやむを得ない(3)分からない-。存続論を選びやすくする誘導的質問、と批判を浴びたのもうなずける。
 今回は(1)死刑は廃止すべきだ(2)死刑もやむを得ない(3)分からない-に変更した。ただこの変更を経ても表現は微妙に異なり、不公平である。(1)死刑は廃止すべきだ(2)死刑は残すべきだ(3)分からない-とした方が中立的であろう。
 ただ、これは枝葉の問題である。制度をめぐる十分な情報を国民に提供した上で調査すべきだ。

 存続論の理由の一つは犯罪の抑止力になるというものだ。だが抑止効果があるとの実証的なデータは見つかっていない。そもそも、かっとして人を殺そうとする者が、死刑になるかもしれないから取りやめるということがあるだろうか。

 一方、廃止論の有力な論拠は死刑執行後、無実と判明したら取り返しがつかないというものだ。殺人罪で服役しながら無実と判明したのは足利事件、東電女性社員殺害事件など枚挙にいとまがない。死刑囚として46年も拘禁され、再審が決定した袴田事件の例もある。
 誤判は死刑以外の懲役刑でもある。だから誤判の可能性を理由に制度を廃止するなら、全ての刑罰を廃止しなければならず、法治が成り立たないという意見もある。だが懲役で失われた時間と、全ての主体である人命とでは、同じ「取り返せない」でも次元が異なる。同列に論ずるのは無理がある。

 死刑でないと被害者や遺族の感情が収まらないというのは、存続の有力な論拠だ。ただ、それを敷衍(ふえん)すると、遺族が死刑を望む場合と望まない場合、同じ犯罪でも刑罰が異なることになる。法治の根幹が揺らがないか。
 世論調査は、こうした多面的な論点を国民に提供した上でなされるべきだ。今回の調査では仮釈放なしの終身刑を設置した場合、死刑存続の賛否は差が大幅に縮まった。一面的な調査の危険性をも示していよう。
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