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死刑存廃論議 裁判員の声を反映して

<信濃毎日新聞5月26日より無断転載>
 ほとんどの国民にとって死刑制度は、賛否はあっても、人ごとだった。5年前までは。
 市民が刑事裁判に参加する裁判員制度が始まって、そうはいかなくなった。有権者なら誰でも、目の前の被告を死刑にすべきかどうか判断する可能性があるからだ。

 裁判員制度の5年間で、21人に死刑判決が言い渡された。126人の一般市民が裁判員として死刑判決に関わった計算だ。補充裁判員や死刑を回避したケースを含めると、これを大きく上回る数の市民が、人の命を刑罰として奪うか否かの判断に向き合った。

 死刑制度の是非について国レベルの議論は止まったままだ。重い決断をした市民の声を反映させ、議論を前へ進める時だ。
 死刑制度についての議論を呼び掛けた法相は、近年では千葉景子氏だった。民主党政権の2010年8月、死刑を執行する東京拘置所の「刑場」を公開した。「国民的議論の材料になるのでは」という狙いだった。同時に法務省内に死刑制度のあり方を検討する勉強会を設置した。

 1年半後、別の法相の下、勉強会は廃止された。死刑について「被害者や遺族が望み、世論の大多数も支持している」「誤判の可能性が否定できず、廃止は国際的潮流」とする賛否両論を併記した報告書をまとめただけだった。より開かれた有識者会議の設置計画もあったが、立ち消えになった。

 報告書が挙げた「世論の大多数の支持」とは、内閣府が09年11~12月に実施した世論調査で、死刑制度の存続が「やむを得ない」とした回答が85・6%を占めたことを指す。裁判員裁判で市民がまだ死刑に向き合っていないころの調査だ。5年たって国民の意識がどう変化したかを調べ、議論の材料にする必要がある。

 ことし2月、死刑判決に関わった3人を含む裁判員経験者20人が署名した要請書が法相に提出された。「死刑を判断した裁判員には壮絶な重圧と葛藤がある」として、死刑制度の情報公開を徹底し、国民的議論の機会をつくるまで死刑執行の一時停止を求めた。

 裁判員制度見直しの議論の中で、市民の精神的負担が大きい死刑判断を対象から外すべきだとの意見がある。それでは再び、死刑を人ごとにしてしまいかねない。
 国民が死刑と正面から向き合うことになったのは裁判員制度の意義の一つだ。裁判員の声が積み上がった今こそ、死刑の議論をおこすべきだ。その責任は、裁判員制度を進めた政府にある。
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